【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】が激戦を制して勝利をつかむ!
“もて耐”に再び7時間決勝レースが戻って来た! 昨年は、コロナ禍のため日曜日に予選・3時間決勝というスケジュールだったが、今年は、事前の体調チェック、感染症対策を行い本来のスタイルである7時間決勝を開催!! フルグリッドの77台が予定時刻の9時30分に7時間先のゴールを目指し、24回目の“もて耐”がスタートした。
耐久レースではおなじみの、ライダーがマシンに駆け寄るル・マン式スタートで、まずは第1グループ(予選上位39台)が一斉に1コーナーを目指す。6番手グリッドの【#32 TEAM SANMEI】の鈴木基博選手が好スタートを切り2年連続のホールショット。そのままオープニングラップを制すとレースをリード。これを【#40 NMC×ATJ Racing】がマーク。さらに【#41 攻明なTSC & DFノリーズ】も追いつき、序盤は、この3台が三つ巴のトップ争いを繰り広げる。その後方では、【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】を先頭に【#16 G-racing】、【#42 RS-ITOHのチェーン屋】、【#10 チームでんでん丸】などが続き、ポールポジションスタートの【#62 TEAM MASSA-R】と予選2番手の【#88 ベスラwith制動女子 yss】は、10番手辺りにつけていた。
序盤のハイライトとしては、75番手グリッドからスタートした【#67 ライディングスポーツファイヤA】の宇川徹選手が24周を走り6番手まで追い上げたことだ。周回ごとに順位を上げ、元MotoGP™ライダーの実力を見せつけた。
トップを走っていた【#32 TEAM SANMEI】は、30周目にピットイン。【#16 G-racing】がトップに浮上する。その後、ピットインのタイミングでトップが入れかわるが、37周目にはBMW G310Rをライディングする【#57 サントクRTファンファクトリー立秋@zip 】が初めてトップに浮上していた。しかし、後方からは【#88 ベスラwith制動女子 yss】は迫り、42周目に前に出ていく。【#88 ベスラwith制動女子 yss】は、そのままレースをリードし、60周目にピットイン。ここで【#62 TEAM MASSA-R】が初めてトップに立つ。しばらく【#62 TEAM MASSA-R】がトップをキープするが、やはりピットインのタイミングで順位が変わっていく。
3時間30分経過時点では、【#62 TEAM MASSA-R】が86周でトップ。これを38秒555差で【#57 サントクRTファンファクトリー立秋@zip 】が、52秒678差で【#310 BMW Motorrad G310R & PEO】、1分22秒222差で【#88 ベスラwith制動女子 yss】が続き、トップ4が同一周回。そのうち2台がBMW G310という過去にはない展開となっていた。
しかし、MFJ CUP JP250のポイントリーダーでもある篠崎佐助選手を擁す【#88 ベスラwith制動女子 yss】が再びトップに立つと、その座を固めに入ってくる。しかし、黄旗区間での追い越しがあり、痛恨のペナルティストップ180秒となり5番手まで降順。【#62 TEAM MASSA-R】がトップに立つと、138周目に最後のピットインに入る。ここで【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】が初めてトップに浮上する。残り1時間を迎えようというところだったが、こちらも141周目に最後の給油を行う。【#62 TEAM MASSA-R】は作戦通りに7回ピットだったが【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】は計算上では、残り2周で止まってしまう可能性があったが優勝するために賭けに出ていた。一方、【#88 ベスラwith制動女子 yss】は146周目に最後の給油を行うと篠崎選手にかわりコースに出て行く。篠崎選手は、誰よりも速く周回し、155周目にファステストラップとなる2分13秒724をマークし、追い上げていく。それでもトップとの差は20秒以上あり【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】が、このまま逃げ切るかと思われた。
しかし、残り20分というところでS字コーナー立ち上がりで転倒が発生。マシンがコース上に残ってしまったためセーフティーカーが導入されることになる。セーフティーカーの後ろにつける【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】の中沢寿寛選手は、カウルに必死に伏せて少しでも空気抵抗を減らしガソリンをキープする。このとき中沢選手は、篠崎選手の位置を冷静に確認。そして残り6分というところでセーフティーカーがピットに入り、レースは再開される。両車の差は、約8秒。中沢選手が区間タイムでベストを出すと、これを篠崎選手が上回っていくがコンマ数秒しか、その差を削れない。そして約7秒差で最終ラップに入っていく。勝利を確認した中沢選手、最後まであきらめずに追う篠崎選手。その差は、見る見るうちに縮まっていくが【#86 〈BEAR〉Mガレージ+i-factory】が逃げ切りトップでチェッカーフラッグを受けた。
「チームとして参戦することを決めたのが8月に入ってからで、エントリーも最後に追加していただきました。そこから22日間で、ライダー、ピットクルー、燃費の計算をするアナライザー、それぞれが、やるべきことをやって手に入れた優勝だと思います。時間があまりにもなかったので、合わせ込むことはできませんたが、譲り合いの精神で走りました。お世話になった天国にいる宮本隆行さんに、いい報告ができてよかったです」と三須信次選手。
【#88 ベスラwith制動女子 yss】は、2秒846差まで追い上げたが惜しくも2位。3位にトップから25秒155差で【#62 TEAM MASSA-R】が入り、トップ3が167周を周回した。総合4位にG310R/VTRクラストップになる【#57 サントクRTファンファクトリー立秋@zip 】が166周で入賞した。
11位の【#17 保険職人】がR25/WS、12位の【#61 中村エンジン研究所】がNST-CBR、29位の【#932 APPRISE阿久澤自動車ゆもみ】がNST-Ninjaが、それぞれクラス優勝を飾った。
コロナ禍での開催となった24回目の“もて耐”は、参加者の皆さんのご協力のおかげで、大きな転倒もなくフィナーレを迎えた。一日も早い、新型コロナウイルスの終息を祈りつつ、また来年“もて耐”でお会いしましょう!