
もてぎ4大耐久の最後を飾る“もて耐”の決勝を、8月最後の日曜となる26日に開催。当日は朝から強い陽差しが容赦なく照りつけ、過酷なレースになることが予想できる恵まれすぎた真夏の耐久レースらしい天候となった。
午前10時の定刻通り、予選を勝ち抜いた77台のマシンがグリッドに並び、ライダーがスタートの合図とともに駆け寄るル・マン方式でスタート。予選3番手の【#92 GMDモトストリーム・マーキュリー】が好スタートを切るが、ポールポジションの【#812 高月レーシング】も譲らずホールショットを獲得すると、そのままトップでコントロールラインを通過。ハイペースで周回を重ねて2番手以下との差をじわじわと広げていく。
スタートから40分を過ぎるとピットに入るチームが出始め、トップを走っていた【#812 高月レーシング】も早めのピットイン。レース開始から1時間をピークにピットに入るチームが増え始め、チームごとのレース戦略の違いが露わになり始める。これにかわってトップに出たのは【#1 ブルドッカータゴス&はる萬】、後には【#65 パワーファクトリーロードウェイ】や【#4 チーム ペンスケ】が続き、トップ集団が形成されていく。
レースに大きな動きが出たのが開始から2時間半が経とうというところ。マシントラブルにより順位を落とすも、2分15秒252というこの日のベストタイムを叩き出しながら後方から追い上げを見せていた【#812 高月レーシング】がセカンドアンダーブリッジ付近で転倒。マシンがコース上に残ったためセーフティカーが入る。さらにコースの回復に時間がかかったため、多くのチームがこのタイミングでピットインを選択する。この時点でトップを走っていた【#4 チーム ペンスケ】もピットに入り、レース再開時には【#1 ブルドッカータゴス&はる萬】がトップに立つ。しかし【#4 チーム ペンスケ】は4番手でコースに戻ると、リスタート後の1周目でトップを奪い返す。
レースの折り返しとなる13時30分、この時間帯は気温も高く集中力にも影響したかヘアピンで接触による転倒が発生。この日、2度目のセーフティカーが入り、ここでもピットインを済ませるチームが続出。2度のセーフティカーにより、各チームの給油状況の読みが難しい展開になっていく。そして4時間経過した時点で、トップは88周を重ねた【#1 ブルドッカータゴス&はる萬】で、これに【#12 CLUB1.2FKクシタニ川口店】とWTクラスの【#4 チーム ペンスケ】が同一周で激しいトップ争いを展開。ここから最初に脱落したのが【#4 チーム ペンスケ】だった。レース開始から約5時間半のところでピットに入る。ライダーやタイヤの交代かと思われたこのピットインだったが、マシントラブルが発生しており大きく順位を落としてしまう。
残り1時間30分を残し、トップは134周の【#12 CLUB1.2FKクシタニ川口店】で、約1分差の2番手に【#1 ブルドッカータゴス&はる萬】が続く。3番手以下には2周の差をつけているものの、何が起きるかわからない耐久レースでは安全圏とは言えない。この段階で【#12 CLUB1.2FKクシタニ川口店】は2回のピットを残していたが、セーフティカーが入った際に給油を済ませていた【#1 ブルドッカータゴス&はる萬】は1回のピットでチェッカーを受けるまで走り切り、ベストタイムで優る相手を振り切って7時間158周を周回、2年振りの“もて耐”王座奪還に成功した。
総合優勝した【#1 ブルドッカータゴス&はる萬】は今年45歳を迎えるベテラン茂木選手を中心としたチームだが、今年は地元の中学生ミニバイクレーサーである金山選手を起用。“もて耐”が誕生した1998年に生まれた金山選手が、第15回の記念すべき大会を制すというサプライズとなった。