菊
花火の伝統技術の粋を集めた花火で、スーッと星が尾を引きながら放射状に飛び散って、菊花の紋を描き出します。花びらの先の色が変化する場合には、変化菊と呼びます。
牡丹
菊と同様に丸く開きますが、尾を引かず光の点を描きながら牡丹のような花を咲かせます。スッキリとした繊細な美しさがあり、菊より光が鮮やかに出ます。中でも火薬にマグネシウムなどを使った明るい星を「ダリヤ」と呼びます。
柳
花火玉が割れると、上空から柳の枝が垂れ下がるように光が落ちてくる花火です。最近では彩色柳などさまざまな色の柳があり、落ちてくるときに色が変化するものもあります。
椰子
椰子の葉のように広がる花火で見た目はまさに椰子の木そのもの。夏を代表する花火の1つです。
スターマイン
いくつもの花火を組み合わせて連続的に打ち揚げ、ひとつのテーマを描き出すものです。
千輪
花火玉が上空で割れたときに、一瞬遅れて中に詰めたいくつもの小玉が一斉に開く花火です。さまざまな色の菊型の小玉を使うと「千輪菊」になります。
型もの(土星・蝶々など)
光の点や線で、ハートや笑顔、蝶、土星などさまざまな形を描く花火です。型物は作品が球状ではない花火もあるため、開いたときの向きによっては見えづらいことがあります。
1.真ん丸に、大きく整然と開花する。
2.花弁の1つひとつの星が、鮮やかに変色する。
3.同心円に二重、三重の芯を重ねることができる。
1.玉の座りが良い
打ち揚がる玉が頂点で開くこと。
花火は、打ち揚がる玉が最高点で開くものが理想とされています。玉が上昇から下降に変わる瞬間に開くと星が上下方向の力に流されることなく丸く開きます。これを「玉の座りが良い」といいます。玉が上がっている途中で開くと扇型に、落ちながら開くと星が流れ、きれいな球形になりません。
2.盆が良い
玉の大きさに見合った広がりで、真円球状に開いていること
花火が開いて、星が一斉に飛び散って作る形を「盆」といいます。大きくてきれいな真円球状であることが最高とされ、これを「盆が良い」といいます。開いた形がきれいな円ではなく、ゆがんだ楕円に見えたり、いびつな形に見えたりするもの、玉の大きさに見合った広がりがないものはいい花火とはいえません。
3.肩のはりが良い
飛び散る星が放射状にまっすぐ飛んで円形になっていること
花火玉から星が放射状に飛ぶものが最高とされ、「肩のはりが良い」といいます。星が先でフラフラ泳いだり、予定外のところへ飛んだり、点火されずにその星のあるべきところから抜ける「抜け星」があって、まばらになったりするものは良くありません。
4.消え口が揃う
星のすべてが一斉にパッと消えること。
花火は、星の消えるタイミングも美しさに大きく影響します。すべての星が同時に変化して色を変え、同時に燃え尽きるものが理想です。星の燃え尽きるときを「消え口」といい、放射状に飛んだ無数の星が、バラバラに消えたりすることなく一斉にパッと消えることで花火が引き締まり、 より美しい印象を与えます。これを「消え口が揃う」といいます。また、星が飛んでいる間に色が変化する花火では、その色も一斉に変わるものが良い花火とされています。
協力:公益社団法人 日本煙火協会
引用:花火入門