MotoGP
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初めてのトライアル観戦

トライアルってどんな競技?

滝や丸太、岩や崖などの障害物が設置されたセクションと呼ばれる採点区間を、
いかにミスすることなく走破できるかを競う競技です。

トライアルとは

トライアルとは

『自然』の与えてくれた試練に挑む。それがトライアルの原点
トライアルは、100年以上前にイギリスで生まれた歴史のあるモータースポーツです。

時代は産業革命直後。当時、誕生したばかりのバイクはとても故障しやすく、その性能向上をテストする場、それがトライアルの原点でもありました。そこからバイクを操るライダーの技術の差が注目されはじめ、徐々にスポーツの形へと進化していきました。これらが高まった近代では高度なテクニックとマシン性能を競うようになり、現代のトライアル世界選手権に至ります。

基本ルール

基本ルール

競技区間となるのはセクションと呼ばれる50m前後の短いコースです。セクションは全部で12か所あり、そのセクションをいかに少ない減点で走りきれるかを競います。

セクションの難易度は、マシン性能とライダー技術の向上によって、どんどん高められてきました。しかし、機械を使って『自然』の与えてくれた試練に挑戦するというトライアルの本質は、これからも変わることなく続いていきます。

SECTION(採点区間)

SECTION(採点区間)

トライアルの減点はタイムコントロールとオブザベーションです。与えられた持ち時間内に走りきること。それを過ぎるとタイム減点が課せられます。オブザベーションとは、各セクション(採点区間)を走破するライダーを採点することです。

最大減点は5点、減点なしで走ればクリーンです。減点は、足つき1回で1点、停止やセクション外への飛び出し、転倒などの失敗が5点となります。今回はGP、TR2、WomenGPの3クラスがありますが、それぞれ同じセクションの中で走行するルートが異なります。規則は多岐にわたっていますが、その規則を熟知して減点を回避して走るのも、強いライダーの条件となってきます。

減点数の見方

オブザーバーの手の形で、そのセクションでの減点数が分かります。人差し指を立てていたら減点1(足を1回着いた)、ピースだと減点2(足を2回着いた)、指を3本立てていると減点3(3回以上の足着き)となります。減点4はなく、1セクションにつき、5点(失敗)が最大減点数になります。また、グーの形は減点0(クリーンと表現します)でミスをしていないことを表しています。セクションでこのクリーンが出たらライダーに盛大な拍手を送りましょう。

トライアルマシン

トライアルマシン

競技の特性上、トライアルマシンは極限に軽量化されており、燃料タンクは小さく、座ることがないのでシートがありません。またタイヤは消しゴムのようにやわらかく、どんな路面にもグリップし、エア圧も低くなっています。車重70kg以下であれば排気量も(125cc クラス以外は)不問で、2021年からはエンジンかモーター(電動バイク)かも問いません。

セクション紹介

セクション紹介

トライアルは基本的に自然地形を使ってセクションが設定されます。しかしそれでは物足りなかったり、危険だったり、いろんな理由で人工的に手を加えたセクションが用意されるのが最近の世界選手権トライアルでは一般的になっています。日本グランプリでも、よりライダーのパフォーマンスが際立つように、配置された岩を移動させたり角度を変えたりし、見せ場を増やしています。

MotoGP™などサーキットレースは毎年同じコースで激戦が繰り広げられますが、世界トップクラスのトライアルライダーは同じセクションだとすぐに攻略法を研究してくるため、それを見越して、セクション製作をする際は、毎年難易度を高めていきます。最終セクションは最も観客が多いハローウッズ前庭の岩盤セクション。観客の声援はもちろん、優勝が決まるセクションになるだけに一味ちがった緊迫感のあるトライアル風景を楽しむことができます。

服装や持ち物

服装や持ち物

トライアルは本来、人が歩くのも困難なエリアで開催されますが、モビリティリゾートもてぎで開催される日本GPは、多くのセクションが街を歩くままのスタイルで観戦できるように設定されています。車両通行止めとした周回道路は絶好の観客席。晴れれば日光浴を楽しみながら観戦できます。簡単なオペラグラスをお供にすれば、観戦迫力もぐっと増すはずです。

一方、セクションのすぐ隣に設けられるプレミアムエリアは、泥などが飛んでくることもあるので、汚れてもよい服装の方がおすすめです。

また、セクションに入る前の選手達の会話がダイレクトに聞こえるなど、観戦の臨場感はモータースポーツの中でも際立っています。

これがあると便利
ルール解説

ノーストップルール

ミスなく走り完走するのがトライアルの本質だが、細かいルールは多岐にわたり、そしてルール変更が施されることも多い。現在のルールでは、全日本トライアル選手権は停止しても減点を問われず、スタジアム開催のXトライアルになるとバックしてもよい。しかし世界選手権はもっとも厳しく、停止(前進をやめる)は失格の減点5となるノーストップルールが適用されている。もっとも、停止の定義に幅があり、これまでの世界選手権の採点状況を振り返ると、オブザーバーが停止判定をする前にマシンを発進させれば減点5にならない採点が一般的だ。

ルール解説

時間制限

また、全日本トライアル選手権には原則1分以内にセクションを走りきるルールがあるが、今回の世界選手権に時間制限はない。久しぶりに世界選手権を見るギャラリーは、一瞬戸惑うところかもしれない。世界選手権に参戦する多くのライダーは並行して全日本トライアル選手権にも参戦しているため、大会ごとのルールに応じて、持てるテクニックを使い分ける必要が生じる。

ルール解説

世界選手権を楽しもう

このように世界のトップで活躍する選手は華麗なライディングとあわせて、複雑なルールを理解しながら瞬間ごとの判断をくだしていく、という頭脳的プレーも要求されている。

※内容は予告なく変更となる場合がございます。
※使用している写真・イラストはイメージです。