日本の夏の風物詩である「ホタル」。
最近ではホタルを観賞できるところも限られてしまい、なかなか見ることができません。
ホタルが見られる環境とはどういった場所になるのでしょうか。
ホタルはなかなか都心で目にする機会が少ないですが、世界的にみると熱帯地域を中心に約2000種類生息していると言われており、日本では約50種類ほどのホタルが生息しています。全国的にポピュラーといわれるのは「ヘイケボタル」や「ゲンジボタル」で、名前を聞いたことがあるという方もいるでしょう。そんなホタルは、繊細な生きもののため、限られた環境でしか生息していません。では、ホタルはどういった環境で育つのでしょうか。
毎年6月頃にメスのホタルから卵が生まれ、1ヶ月ほどでふ化します。その後、9ヶ月から10ヶ月の幼虫の期間中は、川の中で生活します。そのため、水がきれいで流れが穏やかな川であることが条件のひとつとなります。また、ホタルはカワニナという巻貝をエサにしているため、川にカワニナが生息していることも重要です。ホタルが幼虫からさなぎになる時も、化学肥料などが混合していないホタルに適した良い土であることも大切なポイントです。
このように、ホタルが生息するにはいくつもの条件が整っていることが重要なため、各地域ではさまざまな管理作業が行われています。例えば、ある地域ではホタルの成虫の飛翔空間の確保やカワニナ増加のための木々の適度な伐採、落葉の清掃や草刈りなど、ホタルが過ごしやすくなるような環境づくりがなされています。
最近では、川の汚れや農薬などの使用によりエサであるカワニナが減少していたり、台風や集中豪雨などの異常気象の被害や、都内などでは暗闇が少ないことにより、ホタルの生息数が減少傾向にあります。そのため、ホタルが生息する場所が限られ、とても貴重な生きものとされています。
また、ホタルが見られる環境には気候や時期、時間帯などの条件も関係してきます。ホタルは梅雨の5月下旬から6月下旬が見頃とされており、寿命は1週間から2週間ほどであるため、見られる時期は非常に限られます。気候は、20度以上の生暖かい温度が良く、明るくない場所を好むため、月明かりがなく曇っている日が良いでしょう。雨が降っていたり、風の強い日、冷え込んでいる日などの気候条件が悪い日は姿を現さないことが多いといわれています。
ホタルは、2回ほど飛び交いながら光を放つため、1回目は19時から20時、2回目は22時から23時頃が見頃とされています。
ホタル観賞ができるスポットは限られていますが、関東で見ることのできるスポットのひとつに栃木県芳賀郡茂木町にある「モビリティリゾートもてぎ」が挙げられます。
ここは、モータースポーツからお子さまの楽しめるアスレチックなどがある「パーク」など、家族みんなでさまざまな体験を楽しむことができます。
なかでも、自然体験を楽しむことができる「ハローウッズ」では、専門のスタッフが丁寧に管理をしており、安心安全に楽しめる環境が整っています。そんなハローウッズでは、「夜の里山体験 ホタル観賞ツアー」というアクティビティが用意されています。
このアクティビティでは、17時半にハローウッズに集合してから、21時までの3時間半の間、明るいうちは田んぼの生きもの探しを楽しんで、その後、ハローウッズの中にある田んぼでホタルの姿を鑑賞することができます。生きものに詳しいスタッフによるホタルの解説もあるため、生態について詳しく教えてもらいながらホタルを観察することができます。さらに、田んぼに棲むそのほかの生きものについても観察することができます。
ホタルが現れる環境が整っているハローウッズでは、ほかにも自然体験ができるアクティビティがいくつも用意されているため、興味をお持ちの方はぜひ調べてみてくださいね。
ホタルはきれいな場所を好み、限られた条件下でしか生息することができません。
そのため、ホタルが生息できる環境を守っていく必要があります。
いつまでもホタル観賞を楽しめるように、
ホタルの好む環境を脅かさないよう配慮しながら夏の風物詩を味わえると良いですね。